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ma.r.s. and negatives

  • Thomas Ruff
Thomas Ruff, RGB_ma.r.s. 03, 2014
       

トーマス・ルフ|ma.r.s. and negatives

2014年10月4日­(土)- 11月15日(土)
11:00–19:00
日 / 月 / 祝日休廊

[オープニング・レセプション 10月4日(土)18:00–20:00 作家来廊]

この度、トーマス・ルフによる二つの個展を、2014年10月4日­(土)から11月15日(土)の会期でギャラリー小柳とTOLOT/heuristic SHINONOMEで同時開催するはこびとなりました。

このページではギャラリー小柳での展示を紹介しております。TOLOT/heuristic SHINONOMEの展覧会情報はこちら

トーマス・ルフは1958年、ドイツ南部のツェル・アム・ハルメルバッハ生まれ。デュッセルドルフ芸術アカデミーでベルント&ヒラ・ベッヒャー夫妻に写真を学んだルフは、写真という媒体がもつ伝統的な概念を再検証しながら、シリーズごとにまったく異なる手法を展開してきました。現在もデュッセルドルフを拠点に活動しており、ドイツ現代写真の系譜を語る上で欠くことのできない存在とされています。

今回、ギャラリー小柳では、火星をモチーフにしたシリーズ「ma.r.s.」の新作と、ビンテージのネガフィルムを素材とした新シリーズ「negatives」を、TOLOT/heuristic SHINONOMEでは、フォトグラムを発展させたシリーズ「photograms」の新作を展示いたします。

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幼い頃より天文学に親しんだルフは、天体写真のネガを大判のプリントとした「sterne 星」(1989年〜)、土星の観測写真に抽象的な色相を与えた「cassini」(2008年〜)など宇宙をテーマとしたシリーズを発表してきました。2010年より開始したシリーズ「ma.r.s.」ではNASAの火星探査機によって撮影された火星表面の白黒の高解像度デジタル画像を使用。探査機が90度の真上から撮影した画像の構図を変換、着色加工を施すことにより、イメージに圧倒的な臨場感を与えています。今回は初めての試みとして、赤外線カメラで撮影されたもともと色をもつ画像から制作した新作を発表いたします。

もう一つの新シリーズ「negatives」において、ルフはかねてから注目していた写真のネガとポジの関係性を、自身がコレクションしていたビンテージ写真のネガフィルムを用いて検証していきます。デジタル処理によりネガポジ反転し、モノクロから淡い青の色調に変換された写真には、光と影の関係の逆転のみならず、思いも寄らぬ構図の転換がもたらされ、図像は彫刻的とも言える不思議な実在感を醸し出しています。今回はインドのマハラジャのイメージを中心に、静物、肖像、バレエなど様々なジャンルの作品を展示いたします。

今回の展覧会にあわせて作家が来日いたします。ぜひこの機会にご高覧いただけますよう、ご案内申し上げます。