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トーマス・ルフ

1998年4月7日(火)- 4月28日(火)
11:00–19:00
日 / 祝日休廊

ポートレートのシリーズで知られるトーマス・ルフの日本での初個展。
今回は最初のシリーズ作品「室内」(27×21cm)と大作の「星」(260×180cm)と小品「夜」(20×21cm)を出品予定。

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トーマス・ルフによるポートレートは、“Dermatological Realism (皮膚科写実)“とまで表される程に、被写体の顔を細部まで鮮明に、そしてありのままに映す。その作品の前に立つと、自然と写された人の性格や、生活、仕事、出身地などに思いを馳せたくなるのだが、あまりにも第三者的、そして科学的に処理されたイメージは、その表面より奥へ進む事を容易にさせない。
これらのポートレート作品からも分かるとおり、ルフにとって、カメラは存在を機械的に映し出す機材であり、彼の態度には実験を行う科学者のような面さえ感じられる。1989年から着手された、同様に大型の作品「星」では、ESO / SRC Atlas of the Southern Sky 研究室のネガを拡大し、肉眼では全く不可能な視野を実現した。そのフォーマットにおいては余計に細工したりせず、ネガの割合のまま拡大するのみ。作品によってはコンピュータ処理により部分を削ったりもするが、それは出来るだけクリアなイメージを引き出すためであるという。又、「夜」では、赤外線により、夜の街を部分的に撮影し、異世界を作り出している。