この度ギャラリー小柳では、2015年4月14日（火）から6月13日（土）の会期で、オランダ人アーティスト、マーク・マンダースによる日本初個展を開催いたします。

マーク・マンダース（Mark Manders）は1968年、オランダ南部のフォルケル生まれ、現在はベルギーのロンセに拠点を置いて制作活動を行っています。1990年代初頭より作品の発表を開始して以来、1998年にサンパウロ・ビエンナーレに参加、2002年にはドクメンタ11に招聘、2007年から2009年にかけて初の回顧展がハノーバー、ゲント、チューリヒなどを巡回しました。2013年のヴェニス・ビエンナーレではオランダ代表作家としてオランダ館で個展を開催、近年国際的な注目を集めている作家の一人と言えるでしょう。日本においては、東京オペラシティアートギャラリーでの「テリトリー：オランダの現代美術」展（2000年）、金沢21世紀美術館での「人間は自由なんだから：ゲント現代美術館コレクションより」展（2006年）などのグループ展に参加しています。

マーク・マンダースは1980年代後半より、彫刻や家具、日用品や建築部材などを「想像上の」部屋に配置するインスタレーションを作品としてきました。それらはすべて作家が「建物としてのセルフポートレイト」と称する終わりのない取り組みの断片であり、彫刻やオブジェを介して作家自身の抽象的で個人的な思考や感情を、空間のなかで視覚化する作業なのです。緻密に練られた配置図に基づいて配された一見ただの日用品に見える様々なオブジェは、時間の流れから切り離され、白昼夢や幻想譚にも似た不思議な雰囲気を醸し出します。

今回のギャラリー小柳での個展では、作家自身がギャラリーの空間にあわせた「建物としてのセルフポートレイト」を彫刻作品と平面作品で構成します。マーク・マンダースの作品世界を堪能するまたとない機会になるかと存じますので、ご高覧いただければ幸いでございます。展覧会の初日、4月14日（火）午後6時からのレセプションには作家が来廊いたします。ぜひご取材いただけますよう、ご案内申し上げます。